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月の影 影の海

月の影 影の海(上) (講談社文庫)月の影 影の海(上) (講談社文庫)
(2000/01/14)
小野 不由美

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先日、久しぶりにテレビで「十二国記」を観たので、つい懐かしくなって本棚の奥から引っ張り出してきました。
これは「十二国記」の最初のお話。

ごく普通の女子高生「中嶋陽子」は、ごく普通に学校へ通い、ごく普通に意気地がなく、当然の結果としてイジメに加担したりして、疎外感や閉塞感を感じつつ毎日過ごしていた。
ただひとつ違っていたのは、彼女は「胎果(たいか)」だったのです。(奥様は魔女風)

学校にいきなりヘンな格好をした金髪のにーちゃんがやってきて
「御前を離れず、詔命に背かず、忠誠を誓うと、誓約申し上げる」
とか告げられ、たじろいでいると
「許す、とおっしゃい!」
とか怒鳴られる。
そしていきなり妖魔と闘うハメに陥り、そのまま金髪のにーちゃんたちとはぐれ、見た事もない場所で目覚めることになるのです。

その後の陽子の毎日の過酷なこと。

拉致されてお上に引き渡されそうになったり
妖魔と闘ったり
騙されて遊郭に売り飛ばされそうになったり
妖魔と闘ったり
夜な夜な真っ当に生きる意欲を無くすような幻影を繰り返し見せられたり
妖魔と闘ったり

いやいやいやいや。女子高生がここまで酷い目に遭わされる物語は、私は他に知りません。
そして精も根も尽き果て行き倒れになっているところを我らが半獣「楽俊」に助けられるのです。

「楽俊」は、見た目は大きなねずみなのですが、人間の姿にもなれます。
ねずみ姿のときの「楽俊」の愛くるしいことったら!
歩くときは「ほたほた」、ヒゲは「そよそよ」もうたまりません!
そんな姿ながら、彼は非常に立派な青年なのです。

あまりにも過酷な目に遭ったせいで、他人を信じることができずすっかり荒んでしまった陽子が、自分を助けてくれた「楽俊」を置き去りにして、あまつさえ殺そうとまでしたことに対して

「おいらを信じるのも信じないのも陽子の勝手だ。おいらを信じて陽子は得をするかもしれねえし、損をするかもしれねえ。けどそれは陽子の問題だな」

とさらっと言ってのけるのです。

「何かが起こったときに、どうするかどう思うかは、相手は関係なく全て"自分の問題"」

この言葉に私は雷に打たれたような気がしました。
いまでも、愚痴を言いたくなったとき、うまくいかないことを誰かのせいにしたくなった時に思い出しては気持ちを引き締めています。

幾多の困難を乗り越え、様々な人々、中でも楽俊との出会いにより、筋の通ったところがなく意気地なしだった陽子は大きく成長します。
そしてようやく"金髪のにーちゃん"改め「景麒」との再会を果たした陽子。
その凛とした姿に景麒は息を呑みこう言う。
「本当にお変わりになった」

いや、「御前を離れず」と言った舌の根も乾かぬうちに思いっ切り陽子を一人にしたのは誰だよ(笑)。
…とかいう突っ込みをすることもなく、薄く笑い、「許す」と景麒との再度の誓約を果たす陽子なのでした。

そうそう、この物語、実に名言のオンパレードなのですが、何故か私が一番萌えた好きなのは、楽俊のこの言葉。

「振り向くなよ。今ちょっと障りがあるからな」

楽俊は、きっとこの先もどんなに偉くなってもきっと楽俊のまま、なんだよね。

楽俊バンザイ!

…それにしても、小野主上、十二国記の続きはいつですか?

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日々子育てに仕事に大忙し。
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そんな道楽猫が、日々の暮らしの隙間をぬって読んできた本の感想を留めたくて開設したブログです。

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