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いっちばん

いっちばん (新潮文庫)いっちばん (新潮文庫)
(2010/11)
畠中 恵

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心がほっこりする、いつものアレ。

相変わらず病弱ですぐ死にかける若旦那と
相変わらず心配性で若旦那しか目に入らない兄や達と
相変わらず「きゅわきゅわぎゅいぎゅい」にぎやかな鳴家達"妖"の類。

いいかげんもうマンネリだ、もうお腹いっぱいだと思ってもいい頃なのに
これがちっとも飽きない。いやむしろ余計にお腹がすく。
だって毎話毎話とっても美味しそうなお菓子が菓子鉢いっぱいに盛られて出てくるんですもの。
いやこれ、比喩とかじゃないです。ほんとに作中には様々なお菓子が描かれ、それを読むたび私のお腹がぐぅと鳴るのですよ。
特に「餡子は甘いか」はいけませんよ。キケンキケン。

私、これを読んで、自分の遅読の理由がわかったような気がします。
文中の
「こしらえた餡子を伸ばした餅でくるんでゆく」
なんてところで、目をきらきらさせて、大喜びで何度も何度も同じ行を読んでは想像をめぐらしヨダレを垂らす、てなことを繰り返しているから、ちっとも先に進まないのだよ。
「つくった」ではなく「こしらえた」ってとこがまたいい。
美味しさ倍増。うへへ。

そんな私の遅読ぶりを家族は呆れているけれど、なんの、読書の楽しみは"想像"にこそあるのです。
なので私は人一倍楽しい読書をしているのだと自負しているのです。

…話が逸れました。

「しゃばけ」シリーズには、マンネリの元祖「水戸黄門」みたいにやっぱり様々な"お約束"的展開があるけれど、決して助さん角さんが登場して印籠かざして万事解決とか、遠山の金さんみたいに「この桜ふぶきが…」みたいなご都合主義的展開にはならないのです。
若旦那の親友の栄吉はいつまで経っても餡子づくりが上手くならないし、妖どもは相変わらず人の都合にはおかまいなしだし、若旦那の体が劇的に丈夫になるわけでもない。
だけど、毎話「ああ、そうか」と腑に落ちるというか、万事非常にうまく着地してくれるのです。
お約束的安心感ではなく、その落としどころに納得がゆく感じ。
そして、お話の中に、生きていく上でとてもとても大切な"何か"がくるまれている。

「お客さんは、美味いと思って気に入った菓子を、贔屓にしてくれるんだ。職人が、修行何年目でその菓子を作れるようになったかなんて、誰も気にしちゃいねえよ」

中でもこの言葉は、とてもとても心に沁みました。

病弱だけど心がとてもきれいで優しい若旦那と、そんな若旦那のことが好きで好きでたまらない妖たちのほっこりあったかい物語が、たとえマンネリと謗られようと、これからもずっと続いてゆくことを切に願っています。


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Author:道楽猫
日々子育てに仕事に大忙し。
でも家事は忘れても(・_・)読書は忘れない。
そんな道楽猫が、日々の暮らしの隙間をぬって読んできた本の感想を留めたくて開設したブログです。

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