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リズム

リズム (角川文庫)リズム (角川文庫)
(2009/06/25)
森 絵都

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するすると読みやすく、私ほどの遅読人間でも行きと帰りの電車で読み終えてしまった。
でもそこはしっかり森絵都。やわらかであたたかい風が心の中を吹き抜けるようなお話でした。
うん。森絵都は、やっぱり大人向けなお話より、こういうヤングアダルト系のものを書かせたほうがうまいよね。

人にはそれぞれ個性があって、それぞれに固有のリズムがある。
主人公のさゆきのように、脇道にそれまくりで道草ばっかり食っていて、なかなか前に進めないタイプもいれば、さゆきのおねーちゃんのように、目標に向かって一直線!な人間もいる。
どっちがいいとか悪いとかってことではなく、それぞれがみんな自分らしく自分のリズムを刻んで歩いている。

さゆきが、変化してゆく周囲についてゆけず、周りに引きずられそうになったとき、大好きな従兄弟の真ちゃんが教えてくれた言葉。

「まわりのことが気になって自分がめちゃくちゃになりそうな時、心の中でリズムをとるんだ。まわりの音なんて関係ない。自分だけのリズムを。」

それはとっても素敵な魔法の言葉で、もちろん落ち込んでいたさゆきの心にすっと沁みこむ。

でもね、結構トシくっちゃった私はおもうんだ。

周囲に引きずられて辛い思いをしたり、泣いたり笑ったりして時には滅茶苦茶なリズムを刻むときもあったっていいんじゃないかって。
そして自分だけのリズムを刻むには、メトロノームが必要だったりもする。
さゆきにとっては、今は真ちゃんだけが自分にとってのメトロノームだけれど、この先いろんな人に出会って、いつかとてもとても大切なメトロノームとなるほかの誰かに出会うかもしれない。
時には自分自身が別のだれかのメトロノームになることもあるかもしれない。
そうやって、いろんな人たちのリズムが合わさって、新しい何かもきっと生まれることだろう。

自分を見失いそうになったときに、私も真ちゃんの魔法の言葉を心の中で繰り返そうとおもう。

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つきのふね

つきのふね (角川文庫)つきのふね (角川文庫)
(2005/11/25)
森 絵都

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そっと触れないと、壊れてしまいそうな、繊細なガラス細工のような物語。

進路希望調査に「2000年なんかこない」と記入して万引きグループに傾倒していく梨利。人類を救うべく仕事もせずノアの方舟の設計にのめり込む心の壊れた青年智。梨利を裏切ってしまった自分が許せず、智に寄り添うことで自分の拠り所を見つけようとする主人公さくら。出口の見えない閉塞した日常。みんな痛い。

そして梨利のストーカーである勝田少年は(ストーカーと言ってもひたすらノーテンキで明るいが(笑))とある理由から、月の船(方舟)に関する古文書をでっちあげる。そのどう見ても嘘くさい古文書に書かれた予言が、当の勝田少年でさえ信じていなかった予言が、あるカタチを取って現実のモノとなった…。

リアルと幻想が見事にひとつに溶け込むラストは児童文学の範疇をとっくに踏み超えて言葉にならない感動を私にもたらしてくれた。

たくさんは語りたくない。
ただ切なく優しく、痛い。
きらきらと光が透けるような透明な世界に浸ってみてほしい。

<心に残った言葉>
「たぶんあたしたちはどんな奇跡も夢見てはいなかった。
ただ、どこにでも転がっているごくありふれた現実を、ささやかな平和を、とりもどしたいだけだった。」

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Author:道楽猫
日々子育てに仕事に大忙し。
でも家事は忘れても(・_・)読書は忘れない。
そんな道楽猫が、日々の暮らしの隙間をぬって読んできた本の感想を留めたくて開設したブログです。

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