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カラスの親指

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
(2011/07/15)
道尾 秀介

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ミステリーの中でも、私はとりわけ叙述トリックが大好物なわけなのだが、同じ「やられたー!」であっても、騙されて気持ちの良い作品と後味の悪い作品とがあると思う。

で、これは前者(お話自体はミステリーではないけれど)。
初読み道尾作品が「向日葵の咲かない夏」という、なんとも陰惨な作品だっただけに、それと対照的な明るさのあるこのお話の、突き抜けたスカッと感はなんとも小気味良い。
同じ趣向の、とある辻村深月作品(ネタバレになりそうなので敢えて作品名は伏せる)では、"気持ちを踏みにじられた"不快感があったのだが、本作では、騙されても「そうだったんだね。」という安堵が残るだけで、別に腹も立たなかった。

それは、やはり作中のキャラに因るところが非常に大きい。
どの登場人物もそれぞれに魅力的な愛されキャラなのだ。
みんな幸せになってほしいな、と素直に思える人物ばかりだと言うのも、なかなかに稀有な作品である。

特にテツさんが良い。
彼の語る「指」の話がとても秀逸で印象深いのである。
ただ、ここでそれを語ってしまうと、せっかくの本作の良さを削いでしまう可能性があるので、どんな話か興味のある方は、是非とも読んで確かめてみてほしい。

それにしても、「職業に貴賎なし」とは言うけれど、やはり他人に迷惑をかけたり苦痛を強いるような金儲けの方法は間違っていると私は思うし、そういうものを「仕事」とは言いたくない。
甘い考えかもしれないが、真っ当に生きたいと、誰もが思っていると信じたい。

終盤、なんだか道尾さんにしてはあま~い展開だなぁと拍子抜けしているところに

やってきました。

大ドンデン返し!

これは大技というか、荒技。
リアリティがあるかと言えば、ない。
ないないない、あるわけないよこんなお話。

でも救われる。じーんとする。

絶対にないが、この広い世間で、こんなことが実際あってもいいな、と素直に思える。
冒頭に記述した通り、後味が良く、しかも何とも言い難い余韻が後を引く。

うーん。
道尾秀介、ちょっとクセになりそう。

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テーマ 書評
ジャンル | 小説・文学

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非公開コメント

こんにちは

この小説、カラッとしていていいですよね。
大ドンデンも素直に楽しめました。うわぁぁぁっ、と。

道尾秀介作品では、『カラスの親指』と『片眼の猿』が読後感が良かったです。
道尾作品のホラーもいいんですが、コワすぎるというか…i-282

Re: こんにちは

コメントありがとうございます!
道尾ホラーは怖いですv-12
なのでこんなお話も書けるんだぁとビックリしたのです。
なんだかすっかり道尾さんにハマってしまいそうです。
次は『片眼の猿』読んでみますね。
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Author:道楽猫
日々子育てに仕事に大忙し。
でも家事は忘れても(・_・)読書は忘れない。
そんな道楽猫が、日々の暮らしの隙間をぬって読んできた本の感想を留めたくて開設したブログです。

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