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ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)
(2009/09/15)
辻村 深月

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痛い。

なんというか、手と言わず足と言わずどこもかしこもグサグサグサグサとナイフで突き刺されているような痛みを、読んでいる間中、初めから終わりまで感じ続けた。
終わり近くにはついに心臓にまで達し、もう少しで息の根を止められるかと。

ああ痛い。痛くてたまらない。

読み終えて、大きく息をついた。

女なら、誰でもが思い当たる負の感情を剛速球でぶつけられ続け、自分の中の暗い沼の深淵を鏡に映し出されるような不快感を覚えつつも、どうしても読むのをやめられない。
辻村深月も女性だからなぁ。容赦ない。

女どうしは難しい。
友人関係であろうと、母子であろうと、それは同じ。
相手の言動に自分を映し出し、嫌悪する。嫌悪しながら同時に惹かれる。そしてそんな自分がまた嫌いになる。
けれども、一方で、湧き出る自尊心を抑えきれない。相手に同情しつつ蔑んでいる。
「気持ち、よくわかるよ」「可哀想に」
なんて同情を寄せつつ
「私の方が上だ」「私はこんな女とは違う」
だれもがどこかでそんな感情を抱いているのではないか。
図星を突かれ過ぎてズキズキする。

みずほとその母の関係も、チエミとその母の関係も、どこかで自分自身に思い当たり跳ね返ってくる。
私と母との関係は良好ではあったけれども、私はたぶん心のどこかで、常に良い子、良い娘であることを期待されることに反発し、母の愚痴を聞かされることにうんざりしていた。
母にとって私は"最後の砦"であった。他の家族がマトモでなかった分、私が真っ直ぐに良い子に育って普通に就職し普通に結婚することを母はずっと期待していた。

母親は常に娘を支配し続けようとする。
娘はどうするか。そこから逃れようともがくかそれともチエミのように共依存の関係を築き上げるか。

みずほやチエミのような極端なケースではなくとも、いずこも、たとえ姉妹のように見える母子の間にも、きっと大なり小なり確執はあるだろう。
母も女。娘も女なのだ。

「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」は究極の母性の言葉。そして呪いでもある。

大勢の中から、一瞬の間にたった一人の自分の娘を見分けることが出来てしまう。
自分の中にも確かに存在する母性に胸が熱くなる。
そして、娘であるみずほの気持ちも理解できながらも、やっぱり「酷いよ。」とつぶやいてしまう。

ああ私は今、どうしようもなく母なのだな、と思う。

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日々子育てに仕事に大忙し。
でも家事は忘れても(・_・)読書は忘れない。
そんな道楽猫が、日々の暮らしの隙間をぬって読んできた本の感想を留めたくて開設したブログです。

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