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チェーン・ポイズン

チェーン・ポイズン (100周年書き下ろし)チェーン・ポイズン (100周年書き下ろし)
(2008/10/30)
本多 孝好

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読むうちにどんどん加速する違和感。

いやまぁ、これも叙述トリックものなので、違和感があって当たり前なのかもしれない。
だけど、私がここで言うのは、そういうミステリ部分の違和感ではないのだ。


だれにも必要とされず、何も楽しいこともなく、ただ過ぎる日々。
そんな日々の生活に絶望し、自殺を決意する30歳の女性の前に一人の人物が現れこう囁く。
「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか? 1年頑張ったご褒美を差し上げます」

自分の命をあと1年と定めた主人公は、ひょんなことから、とある私設児童保護施設の存在を知る。
そこの子どもたちと関わる中で主人公は次第に生きる意味を見い出し、自分の死にさえ価値を見つけてゆく。


よく出来た、お話だなと思う。
客観的に評価するなら、結構いい点が付けられるんじゃないかな。

でもやっぱり私にとっては"よく出来たお話"以上には成り得なかった。

初めて出会った子ども。
どんなふうに扱ってよいかもわからない子どもにいきなりおんぶをせがまれ、されるがままに"操縦"される…。
少しコミカルに描かれるその場面に、何とも言いようのない違和感を覚えたのが始まり。
そして、その後もその施設に入り浸り、いつしか児童保護施設の維持のために、子どもたちのためにと奔走するようになる主人公の姿にどうしても最後まで違和感が拭えなかった。

世を倦み、自殺を希求するような人物の再生の物語としては、心境の変化が唐突だし、設定が甘い気がどうしてもしてしまうのだ。
だって「ポイズン」なのに…。
題材としての「毒薬」だけでなく、もっと物語としての強烈な毒がほしかった。

どちらかと言えば、児童保護施設の園長やその息子の心情の方がよほど理解できる。
私の根性が捻じ曲がっているせいなのか?
きっとそうなんだろうな。

ラストのドンデン返しも、「ああ、そういうことね」という驚きは多少あったけれど、トリックとしてはそんなに目新しいものでもないし、"してやられた"という爽快感もなかった。

というわけで、全体的に中途半端な印象だけが残ってしまった。
かなり辛口の評価となってしまったのだが、実は本多孝好は初読。
この人は短編の名手といわれているので、短編はきっと面白いのだろう。
もつと別の作品でリベンジをしたい。

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Author:道楽猫
日々子育てに仕事に大忙し。
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そんな道楽猫が、日々の暮らしの隙間をぬって読んできた本の感想を留めたくて開設したブログです。

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