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新世界より

新世界より(上) (講談社文庫)新世界より(上) (講談社文庫)
(2011/01/14)
貴志 祐介

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新世界より(中) (講談社文庫)新世界より(中) (講談社文庫)
(2011/01/14)
貴志 祐介

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新世界より(下) (講談社文庫)新世界より(下) (講談社文庫)
(2011/01/14)
貴志 祐介

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コレ、ずぅぅぅぅっと読みたかったんですよね。
でもハードカバーは高くて手が出せないし、ヤフオクでもなかなか落とせず、で、指をくわえてました。
それがようやく文庫になったので、ついつい一気買い。
でもよくよく考えたら、3冊でこの厚さだと文庫でもけっこー高い。何やってんだろう私。しょんぼり。

1000年後の世界なんて、想像できるだろうか。
歴史で学んだ1000年前の世界だって、ぼんやりとしか思い描けない。
今と同じ感情をもつ同じ人間がそこにいた、とは、なかなか想像しがたい。
まして1000年後は…。

しかしこの物語は、そんな1000年後の日本が舞台となっている。
人口は、とある事情により1億から5万人程度へと激減。
工業や通信といった文明は相当後退し、電力はごく限られた用途にしか用いられない。
その代わり、何故か「呪力」と呼ばれる超能力(PK)が当たり前に存在する世界へと変貌している。

子ども達は厳重に管理され、町の端の八丁標と呼ばれる注連縄の外には決して出てはならないと戒められる。
小さい頃から、おとぎ話として、八丁標の外には"悪鬼"や"業魔"と呼ばれる恐ろしい存在がいると繰り返し刷り込まれて育つのだ。
夕暮れ時の薄明かりの中、遠くから聞こえてくるドヴォルザーク「新世界」の第二楽章「家路」。
それが流れると、子ども達は一様に、家を目指す。管理された箱庭の世界の我が家へ。

現実を疑うことも知らず。


読み終えて、貴志祐介という人は、なんて凄いんだと、つくづく感嘆した。
1000年後の世界の造型が、生態系のディテールが、あまりに緻密なのだ。
ミノシロ、バケネズミ、その他数多の昆虫や爬虫類に至るまで、非常に細かく表現されていて驚愕の一言である。
なので、1000年後という、私にとって想像の枠外の世界のお話であるにも関わらず、非常にリアリティをもって読み進むことができたのだ。
けれどそれだけに、それらの現代とはかけ離れた生態系に、なんとも言えぬ違和感も覚えた。
人の感覚からすれば、1000年は悠久とも言える長い年月だけれど、地球の歴史からすれば、1000年なんて、あっという間ではないか。なのに何故、こんなにも生態系が現代と異なっているのか。
読み進むうち、ある疑惑がアタマをよぎった。
バケネズミの正体を知るに至り、「ああ、やはり」と合点がいくことになるのだけど。

人はどうして、常に生態系の頂点にいたがるのだろう。
人と人でないものとを区別するものは、いったいなんだろう。
そもそも、人の定義とは。

読み終えて、とりとめもなく色んな思いが渦巻いた。
この余韻は半端じゃない。

ただ、疑問もいくつか残った。
守が、どうして「不浄猫」の"標的"となったのか。
そもそも、何故、彼が1班のメンバーだったのか。
"彼ら"とバケネズミの間に何があったのか。

そのへんがすっきりと解決されていれば、もっと良かったと思う。
けれど。
これは掛け値なしに傑作です。

大傑作です!(大事なことなので二度言います(・_・))

ファンタジーやらSFやらが苦手でも、長編がニガテでも、とにかく読むべし!


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貴志祐介 『新世界より』

子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。いつわりの共同体が隠しているものとは―。何も知らず育った子供たちに...

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こんばんは~☆

>ファンタジーやらSFやらが苦手でも、長編がニガテでも、とにかく読むべし!

圧倒的なイチ押しに負けそうです。
こちらの作品、他のブロガーさんも以前読んでいて、やはり絶賛されていた気が。
気になりますね~。未読の作者サンなのでチェックさせていただきます!!

Re: こんばんは~☆

> 惺さん
わはーっ
そうですよ。読むべし!ですよ!
イチオシです!!

でも読んで騙された!と思っても責任はとりませぬ(・_・)

こんばんわー^^

読まれましたかこの傑作を^^貴志さんは素晴らしい作品も多いですが、『黒い家』よりも僕はこっちのが好きです。国内SFファンタジーの中でもなかなかいい位置にある作品ってくらいクオリティ高いですよね^^貴志さんの多彩さには舌を巻くばかりです。ミノシロモドキがR2D2みたいで可愛かったですね(笑)

Re: こんばんわー^^

> チルネコさん
ついに読みましたよ!
本当に面白かったです。
ちなみに「黒い家」も黄色いお店から連れて帰りました。
はっと気付くと、ホラーばっかり買ってて、我ながら怖いです(笑)。
ミノシロモドキは可愛かったですよね。
「…手続きは省略されました」とか(笑)。
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Author:道楽猫
日々子育てに仕事に大忙し。
でも家事は忘れても(・_・)読書は忘れない。
そんな道楽猫が、日々の暮らしの隙間をぬって読んできた本の感想を留めたくて開設したブログです。

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