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ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイペンギン・ハイウェイ
(2010/05/29)
森見 登美彦

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森見サンすげぇ。

もちろん今までもすごい人だとは思っていたけれど、ここまでとは思っていませんでした。
アンタもなかなかやるもんだねぇ。(by ちびまるこちゃん)

主人公の少年が大人びていて子どもらしくないとか賢すぎるとかいう方が多いですが、そんなことはないのです。彼は大人になろうと一生懸命なだけなのです。
今のお子様は大人になりたがりませんからね。なんたって現代は子どものほうが色々特典があってラクだしなぁ。
そういう意味では、子どもの殻を脱ぎたがる彼のほうが、そこらのお子様よりよほど子どもらしい。
たいへん伸びやかで健やかなお子さんだなぁとほのぼのしました。
言うなれば生真面目なクレヨンしんちゃん。どちらもおねぇさんが好きでおっぱいが大好きですからね(笑)。
それと他人の目を気にしないところが似ています。自分の感性を信じるというか、我が道をゆくところ。

私、しんちゃんのお話ですごいなと思ったのが、「うんちマン」のお話で。(お食事中だったらごめんなさい)
幼稚園のトイレで大きいほうをしちゃった男の子が「うんちマン」という渾名を付けられてみんなにからかわれているのを見て、しんちゃんが
「うんちマンかっこいい!オラはうんちマン2号になる!」
といってへーきでトイレで大きいほうをするんですよね。そうするとみんなも釣られて、いつしかトイレで大をするのが大流行するという(笑)。
そういう、周囲に流されない確固たる自分をもっているところが、とてもよく似ているなぁと思うのです。

スズキくんに自販機に縛り付けられても、プールで水着を脱がされても動じない。
そんでもって、「怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。そうすると心がたいへん平和になるんだ」とかいう名言を吐く。
タダモノではないアオヤマくんが私はたいへん好きです(笑)。

それで、なんだか読んでいて不思議な感覚に陥るというか、アオヤマくんとウチダくんの会話が、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のジョバンニとカムパネルラ的なんですよ。
世界の果てを想像するアオヤマ少年、死の世界を考察するウチダくん。
ウチダくんの「だれも死んでいない」論は実にすばらしいなと思いました。実は私も同じような考察を「航路」を読んでしていたので、ウチダくんの言いたいことがとてもよくわかります。
そうなのそうなの。「死」は客観的な事象で、主観的にはだれも死んでないのよ。思いっきり頷いてました私。

そしてアオヤマくんの「エウレカ」。
「eureka」はアルキメデスが「アルキメデスの原理」を発見したときに、叫んだとされる言葉。
だれにでも、どんな小さい子にも、真理に気付く瞬間がある。「わかった!」って、ぱっと世界が拡がる瞬間があるのです。
ある日突然現れて突然消えたペンギンの謎、おねぇさんの謎、例の海の謎。
やまほど考え抜いて見つけ出したアオヤマくんの真理。
胸が苦しいぐらいドキドキワクワクしてしまいました。

辿り着いた真理は、結局つらい真実へと繋がってゆくのだけれど、まだ見ぬ未来へもちゃんと繋がっている。

もう少しオトナの男になったアオヤマくんに、是非また会ってみたいな。
きっと、とびっきり素敵な男子になっていることでしょう。

おっぱい好きは、治らないかもだけど。

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ジャンル | 小説・文学

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こんばんは☆

お! また森見サン!!
このハナシ、自分はSFというよりも、
アオヤマくんの成長物語として読みました!
しんちゃんがアオヤマくんに似てるって…
同感ですねッ!

こんばんわ。

これ実は今僕の中でNO.1の登美彦氏の作品なんですよ(笑)昔の登美彦氏のがいいって方、周りにも多くて淋しい限りですが、僕の中では登美彦氏は作品を出すごとによくなってるんですよね~。変化じゃなくちゃんと進化できてるんじゃないかと^^
本書はSFとしてもジュヴナイルとしても僕は優れてると思います。TBさせていただいた感想には「登美彦氏のSF!SF!」と書きまくってますが、後に〔日本SF大賞〕を受賞したことを考えると、この感想でSFに目がむきがちだったのも間違ってはなかったんだなーと嬉しい思いした覚えがあります(笑)

おもしろそう

>言うなれば生真面目なクレヨンしんちゃん

をを!それはおもしろそう!!

今回は変な大学生たちじゃないのね。

惺さんへ

もうすっかり森見フリークですよ!
そうそう、SFとしても面白いし、成長物語として読んでもいいんですよね。
非常に余韻の残る、良いお話でした。

チルネコさんへ

そうですね、まさに「進化」ですよね。
底知れぬ感性をもった方だなぁと感心しきりです。
SF、というよりはファンタジーの領域かなぁという気も私としてはするんですが
どのような捉え方をするも読む人次第って感じです。
今のところ、森見作品にハズレなし、でほんとに読破するのが楽しい作家さんです。
森見作品の素晴らしさを知ることができたのもチルネコさんのおかげです。
今後ともよろしくです(笑)。

読書系女子さんへ

超おすすめですよ!
いつもの作品とはちょっと毛色が違いますが
でもやっぱり森見さんだなぁと思います。
機会があれば是非!
アメーバなう
オススメ
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道楽猫

Author:道楽猫
日々子育てに仕事に大忙し。
でも家事は忘れても(・_・)読書は忘れない。
そんな道楽猫が、日々の暮らしの隙間をぬって読んできた本の感想を留めたくて開設したブログです。

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