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有頂天家族

有頂天家族 (幻冬舎文庫)有頂天家族 (幻冬舎文庫)
(2010/08/05)
森見 登美彦

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私が小さい頃、ワインといえば「赤玉ポートワイン」でした。
もちろん当時の私は子どもなので、ふだんは飲ませてもらえないのだけど、お正月とかお祝い事のときだけ、特別に小さなグラスにちょっぴり注いでもらって、そのあまぁい味を楽しんでいました。
早くオトナになって、あの甘くて美味しい「ワイン」をおもいっきり飲みたい、と熱望したものです。
そうなのです。あの頃私は、ワインというものは、すべてあんなふうに甘いものだと思い込んでいたのです。
オトナになって、ふつうのワインは甘くないのだと知ったときの衝撃と落胆といったら。
なので、私には「赤玉先生」が赤玉ポートワインをこよなく愛する気持ちがとてもよくわかるのです。

ふと思ったのですが、というか、森見ファンなら当然みんなわかってることかもしれないけど、森見作品がなぜこんなにもみんなから愛されるのかといえば、やっぱり登場人物(人外含め)がみんな「可愛くて愛おしい」からなのじゃないかな。
有頂天家族の登場人物(人外ばっかり?)たちも、やっぱりみんな総じて「可愛い」、いや森見的にいえば「カワユイ」。
実直で融通の利かない長男も、ヒキコモリの次男も、阿呆の血を最も多く受け継いだ三男も、気が小さくへなちょこな四男も、そしてツンデレ赤玉先生も、ナイスなトラブルメーカー弁天も、スーパーツンデレ海星も、悪役にしては間抜けすぎる金閣・銀閣も。みんなみんなとても可愛いのです。
読んでて常ににまにまへらへらして、思わず「ふふふ」と不気味な声が出てしまうほど。

でもね、のほほんとしたばかりのお話かといえば決して赤玉ポートワインほど甘くはないのです。
なんたって狸ですからね、決して食物連鎖の頂点にいるわけではないのです。弱い立場だったりもするのです。
私は、父親と次兄のエピソードのあたりで、うっかり涙ぐんでしまいました。
よもや森見作品で泣かされるとは。予想もしてませんでした。

それにしても、「食べちゃいたいほど好きなのだもの」は壮絶なほどに名言。
食物連鎖の上の位置にいるものは、そういう詭弁を弄しつつ、自らの矛盾する行為を肯定するのですね。
(と、"詭弁踊り"を踊りながら「どや顔」で語ってみたり。)
そんでもって、寿老人は、やはりあの、「李白」氏ですかね。偽電気ブランは狸製だったのか。

「面白きことは良きことなり!」

本当にそうだな、とつくづく思います。今、こんな時代だからこそ、という思いも込めて。

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有頂天家族

有頂天家族 (幻冬舎文庫)作者: 森見 登美彦出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2010/08/05メディア: 文庫 父を殺した叔父と戦う4兄弟の物語。 ――かつての恩師と亡き父の熱い友情 ――死に際の見事さを持って亡きあとも子を導く偉大な親 ――反目する両家にあっても、惹?...

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非公開コメント

こんばんは!

わわッ!! またも森見氏だッ!!
コレは未読だなあ。「狸」がポイントなんですね…。
面白そうなので、近々挑戦してみます☆
ご紹介ありがと~!

おっ、登美彦氏^^

登美彦氏の作品に精が出ますね!(笑)
本書では偽電気ブランの製造元が割れましたよね~。夜は~では貴重だったのに(笑)阿呆たちは可愛かったですね!でも登美彦氏風にいうと、カワユイじゃなくてラブリーなんですよ(笑)恋文の技術辺り読んだらでてくるかも知れません^^笑
かくも暖かき家族愛にやられた一冊です^^海星の謎や赤玉先生の秘蔵っ子なんかが続編でどう明かされるのか楽しみなシリーズですね。ずっと待ってるんですが、たぶん今年は出してくれるでしょう♪

惺さんへ

はいはい、またもや森見氏です(笑)。
だってオモチロいんだもの!
なんかもう、読むたび私の中で好きな作家の順位が上がってゆく感じです。
これは、だれでも楽しめると思いますよ~

チルネコさんへ

Σ( ̄□ ̄*)
らぶりーですかっ!
まだまだ修行が足らぬな私…(笑)。
そうそう!書いたあとでチルネコさんの書評読んで、家族愛!っと叫んでしまいました。
そこに触れるの忘れたな、と。
続編が出るのですか?!
それはものすごーく楽しみ♪
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Author:道楽猫
日々子育てに仕事に大忙し。
でも家事は忘れても(・_・)読書は忘れない。
そんな道楽猫が、日々の暮らしの隙間をぬって読んできた本の感想を留めたくて開設したブログです。

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