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りかさん

りかさん (新潮文庫)りかさん (新潮文庫)
(2003/06)
梨木 香歩

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私は小さい頃から人形がニガテだった。というより全く興味がなかった。
全然可愛いとは思えなかったしむしろ怖かった。記憶にある人形はたった一体のみ。母の入院中に親戚の伯母に買ってもらったリカちゃんに似た人形。けれどその人形を可愛がったかと聞かれれば、全く思い出せない。着せ替えなどして遊んだ記憶もない。

そんな私が、今何故かお人形にハマっている。リカちゃんもジェニーちゃんも可愛いと思える。猛烈に着せ替えをしたい衝動に襲われる(笑)。そして実際にブライスを一体購入するに至り、あまつさえアウトフィットと言われる着せ替え用の服をあれこれ物色している有様。
一体これはどういうことだろう。自分でもその心境の変化(というより変貌)の理由がわからなかったのだが、この本を読んでその理由が何かわかったような気がする。

昔の私は非常に鋭利で、目一杯突っ張っていて(ハタから見れば全くそんな風には見えなかっただろうが)お人形を可愛いと思えるような心の余裕が全くなかったのだ。
日米親善のために日本に送られることになった人形を「ごめんなさいかわいいと思えない」と悲しい顔で言うユダヤ人女性のくだりで私はハッとした。
私も、立場は違えどこの女性と似た部分があったのかもしれない。

「でも、人形の本当の使命は生きている人間の、強すぎる気持をとんとん整理してあげることにある。木々の葉っぱが夜の空気を露に返すようにね」
「ほら、ノートに濃いサインペンで書いて、下の紙に移ることがあるだろう。濃い色の染めを薄い色のものといっしょに洗濯すると色が移ることがあるだろう。それと同じ。あんまり強すぎる思いは、その人の形からはみ出して、そばにいる気持の薄い人の形に移ることがある。それが人形」
「人形遊びをしないで大きくなった女の子は、疳が強すぎて自分でも大変。積み重ねてきた、強すぎる思いが、その女の人を蝕んでいく。」


うん、ほんとそうかもしれない。逆に言えば、だからこそ今、私にとって"人形"が必要なのかもしれないなと思う。

読む人によって好みははっきり分かれるだろうけど私にとってはいろんな発見があって目から鱗なお話だった。
ちょっと古風な文体にも惹かれる。
私は元々何にでもバカ丁寧に「お」を付けるような上品ぶった物言いは好きではないのだが、この物語の中でごく自然に使われる「お細工もの」「お道具」と言った言葉遣いは何故かとても美しく穏やかで心にすっと響いた。

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日々子育てに仕事に大忙し。
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そんな道楽猫が、日々の暮らしの隙間をぬって読んできた本の感想を留めたくて開設したブログです。

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